最近、夜中に誰も使ってないトイレでタンクに水がたまる音がする心霊現象が起きていました。お化けを退治するのが手っ取り早いんですが、トイレを修理する方がきっと現実的なので、さっそくチャレンジしてみました。
たいしてコストがかかるわけでもないし、トイレが故障した方の参考になればととりあえずタンクの中身を全部交換してみたのでどうぞ。
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アメリカのトイレ
アメリカのトイレはKohlerかAmerican Standard製のをよく目にしますが、地味に色んなメーカーがあります(肌感覚ではこの2社に次ぐところに日本のTOTOがつけてる感じです)。
しかし、日本のようにウォッシュレットが普及していないので作りは至ってシンプルで、メーカーにかかわらずトイレの仕組みはほぼ同じです。なので、トラブルがあっても自分でサクサクっと修理できます。
仕組み
今回修理したのはタンクの中身なので、あくまでその周辺についてですが、主に下記のパーツから構成されています。
Fill Valve
Fill Valve(フィルバルブ)はその名の通り給水ホースに接続し、トイレのタンクへと給水するためのバルブで、水量をコントロールするフロート?浮き球?が一体型になってるものが主流です。
メーカーによっては特殊な形をしているのもありますが、ほぼどのメーカーもサイズが一緒なので、汎用性のあるユニバーサルなモデルも多く出ています。
ちなみに、価格はあくまでも目安ですがメーカー純正品で20ドル前後で、ユニバーサルな物なら15ドルくらいだと思います。
Flush Valve
Flush Valve(フラッシュバルブ)はタンクにたまった水をトイレに流し込むバルブです。ユニバーサルな物もありますが、これは使用しているトイレのモデルにあったものを買うのが良いと思います。
というのもバルブのサイズ(規格)やメカニズムが違うのもあるので、どれを買うか調べるならメーカーから出ているものを買った方が簡単だし、そもそも安いものなので汎用品を買うメリットがあまりないです。
ただ、メーカーからパーツが販売されていない時(されていても買うのが面倒な場合)はバルブのサイズがタンクにハマるかを調べてガスケットとかもそれに合わせてユニバーサルの物を買う必要があります。また、急を要する場合はホームデポとかでユニバーサルの物を買わざるを得ない事もあるかと思いますが。
このフラッシュバルブはトイレの水を流すレバーとつなげるんですが、一般的なチェーンで引っかけるタイプでない特殊な物もあるので、そういった場合はメーカーから出ているパーツを使う必要があります。
で、価格はというとだいたい20 – 40ドルくらいで買えると思います。
修理費用
その辺のプラマーに修理してもらう場合の目安は、フィルバルブ、フラッシュバルブのどちらか一方を修理するとだいたい75 – 200ドルくらいするそうです。といっても、プラマーに限らず修理屋さんはサービスチャージのミニマムを75ドルに設定している人が多いので、来てもらうだけで75ドル+追加で作業とパーツ代がかかる可能性が高いです。
フラッシュバルブの方が交換が面倒なのできっともっと高くなると思います。
じゃ、やってみる
さて、うちの場合はまずフラッシュバルブのゴムが劣化していてバルブが閉まった状態でもトイレにちょろちょろ水が流れている状態でした。この場合、フラッシュバルブを交換すればよいだけですが、両方交換していきたいと思います。
パーツを買う
まず、トイレにあったパーツを買うためにはトイレの型番を探します。ほとんどのトイレはタンク内に型番が書いてあるのでとりあえずタンクの蓋を開けてみるのが良いです。
型番っぽい英数字があったらメーカーの交換用パーツサイトから必要なパーツを探します。
メーカー別のパーツ
今回はKohlerのK-4436-BAというのが型番だったのでKohlerのサイトで型番にあったパーツを検索し、パーツの購入はアマゾンでしました。先ほども書きましたが汎用性のあるものも純正品も数ドルくらいしか値段が変わらないので僕は純正品を買った方が良いと思います。
ちなみに僕はフィルバルブ、フラッシュバルブあわせて40ドルくらいでした。
また、純正品は大概ガスケットまで付属品がついたユニットで販売しているので、関連部品も丸々交換できます。
水を抜いて交換準備
トイレに水を供給している元栓(シャットオフバルブ)をぎゅってしめてからタンク内の水をトイレに流します。ただ、底に3センチくらい水が残るので、僕はフィルバルブを外して水を抜きました。
フィルバルブはタンクを貫通してタンク外側からプラスチックのナットで固定されていて、その先に元栓から出ているホースがつながれています。元栓からのホースもナットも適当に口が広めのレンチを使ってタンクから外せます。
で、フラッシュバルブへ伸びているチューブは手で引き抜けます。
トイレのタンクに水が供給できないとかそういうトラブルの人は、このフィルバルブを交換するだけで改善します(もしくは写真でいう赤いキャップを外して掃除するだけでも改善する)。
タンクを外す
続いてフラッシュバルブなのですが、これはタンクを外す必要があります。タンクはトイレ本体にタンク内側からボルト(3~4カ所)で固定する形で、トイレ本体の裏側からナットでぎゅっと固定してあります。
なのでナットをちょこちょこ緩めて行けばタンクを外すことができます。
メーカーによっては内側から入っているボルトのヘッドがマイナスになっているので、壁際で頑張ってレンチを回してナットを外さなくても外側からプライヤーやレンチでナットを抑えて内側からくるくる外せます。
うちのはそうなってなかったのでラチェットレンチで外しました。トイレの設置場所にもよると思いますが、壁ぎりぎりだと小回りが利くレンチが無いと面倒です。
フラッシュバルブ交換
タンクの下にあるプラスチックのナットを外してガスケットを外すとタンク内部からフラッシュバルブが外せます。ただ、このプラスチックのナットが大口径(3インチくらい)で、僕の持っているプラマー用のパイプレンチではギリギリの大きさで苦戦しました。
専用のプラスチックのレンチもあるみたいですが、3インチくらい口が広げられる大き目のレンチを買った方が良いです(正直この用途以外にここまで大きいレンチは使うことは無いので、僕はもったいない気がしてケチりました)。
外し終わったら新しいパーツに付け替えます。
手順は外した順番と逆に組んでいくだけなので簡単です。って、このプラスチックのナット、新しいのものがついてきたのにも関わらずなぜかこの古いのをそのまま使いました(しめこんだ後に気づいてやり直すのが面倒だっただけですが)。
全部戻す
後はフィルバルブを付けてタンクをトイレに戻し、元栓からフィルバルブにホースをつなげます。
フィルバルブはタンクを外している状態でつけたほうが楽です。ただ一つ、フィルバルブは長さの調整が必要なので、取り付け前にもともとついていたフィルバルブと同じ長さにしておいてください。
で、タンクをトイレに取り付ける時は、一つずつナットをギュッとしめていくのではなく、バランスよく均等にしめていくようにしてください。均等に圧力がかからないとタンクが割れる可能性があります。
調整
最後にフィルバルブについている水位調整のネジを回して水位を調整します。どのくらいまでの水位にすれば良いかはフラッシュバルブに目安のラインがあります。
ネジで調整後はいったんある程度水を抜いてからどこまで水がたまるか様子を見ます。
完成!
って、これで完成です。初めての作業でも1時間~2時間あれば余裕でできます。
後書き
え、と、アメリカのトイレのタンク周りは難易度低めのDIYで対応できるって事を伝えたかったので長々と書きましたが、やり方は色々とYoutubeの動画などで紹介されていると思うのでそちらを見たほう分かりやすいと思います。
ま、自分でできるって事さえ知っておけば、いざっていう時に落ち着いて対応できますし、少ない日本語の情報をググる必要も無いですから。
ちなみに僕がこの辺の作業を自分でやっている理由は、プラマーが家に来るだけで75ドル取られるのもなんか腑に落ちないんですが、それはさておき、プライドだけプロ気取りで新品のパーツを客の前で雑に扱ったり、適当にやっつけで仕事をしていくサービスマンを見るのが耐えられない、というか今までそういうのを見てきたのでなんか信用できない。。。
この気持ちわかりません?(笑)